ネットワークの基本知識(エンジニア必修)
- 基礎と応用
TCP/IPなどのネットワークプロトコル
書籍では必ずといっていいほどOSI7階層モデルが説明させているが、机上で理解できる優秀な方はネットワークの基本が書かれた本を熟読したらいい。
筆者はどうもOSIとか階層モデル(何とかレイヤー・何々層)とか苦手であり、概念を習得できたのは業務を通じて体感しTCP/IPなどのネットワークプロトコル全体が何となくわかるようになった後だった。数年費やし、ようやくレイヤー2とレイヤー3を理解した。机上、体感いずれにしてもLANケーブルの基本から順番に学んで挫折せずにルーティングまでたどり着く必要がある。数学で例えると数Ⅰから数Ⅱをしっかり理解した後で、積分などを学習した時のようにだ。
なので、昔の自分に教えるとしたら以下のようになる。ここからが本題だ。
TCP/IP通信の実際
過去にはAppleTalkなども限定的に使われていたが、現在は主流というかメジャーなTCP/IPとして説明を続ける。多くの技術で成り立つネットワーク利用の一例、ホームページ閲覧の場合を説明したい。 大ざっぱではあるが、インターネットを用いた通信はだいたいこのようになっている。
パソコン(Webブラウザ)
↓ ↑
LANケーブル(Wi-Fiでもいい)
↓ ↑
HUB(無い場合もある)
↓ ↑
ルーター(無線アクセスポイントでもいい)
↓ ↑
インターネット(通信キャリア、プロバイダなど、ルーターなども複雑に絡み合っている)
↓ ↑
ルーター(多段存在する、通信の交通整理をしている)
↓ ↑
ファイアウォール(不審な通信を取り除く検問)
↓ ↑
サーバー(ホームページのコンテンツ)
ここまでの話は、何となくでもわかったとして、この先はネットワーク技術者には避けて通れない、 筆者も苦手だった通信レイヤーの話に触れたい。
ネットワークのレイヤー
ネットワークはレイヤーで理解するのが一般的だ。ネットワークのレイヤーとは、ネットワークの通信プロトコルについて役割の違いで階層分類したものである。ネットワークレイヤーの分類方法には2つのモデルがある。1つは上述のTCP/IPモデル、もう1つはOSI 7階層モデル(OSI参照モデルともいう)だ。
OSI7 階層モデル
OSI 7階層モデルとは、ネットワーク通信を7つのレイヤー(階層)に分けたモデルの一種だ。国際標準化機構(ISO)で策定された。OSIはOpen Systems Interconnectionの略で、7つのレイヤーのうち、どのレイヤーでエラーがあっても、通信はできなくなる。
OSI 7階層モデルのレイヤーは、具体的には下記に分類される。
レイヤー1(物理層)
LANケーブルや電波のこと。コネクタ形状や周波数など、互いに合っていないと全く合わず、かすりもしない。
レイヤー2 データリンク層
MACアドレスに従い次の経由地に届ける、不明な場合はバラまくか廃棄する層。
レイヤー3 ネットワーク層
届け先であるIPアドレスに向かってどのネットワーク経路で届けるかを決める層。
レイヤー4 トランスポート層
データを運ぶ層。TCPやUDPといったプロトコルによって、きちんと届ける方法・手順がある。
レイヤー5 セッション層
データ通信の開始や終了の形式などを規定した層。やりとりの初めと終わりにはきちんとごあいさつが必要ということ。
レイヤー6 プレゼンテーション層
適切な形式に変換したり、文字コードを定義するなど、表現形式を規定する層。アプリを他とつなぐためにみんな(機器)がわかる共通語にする。
レイヤー7 アプリケーション層
ヒューマンインターフェースを担い、頭脳的な役割を果たす層。いわゆる便利なアプリやみんなが使えるさまざまなサービス。
レイヤー1~7を大別すると、レイヤー1~4がネットワークインフラでハードウエアというイメージだ。残りのレイヤー5~7は通信アプリでソフトウエアというイメージになる。レイヤー7はアプリケーションソフトの分野であり、これはWebサイト、ブログ、ゲーム、SNS、コンテンツなどのユーザーインターフェースといった華々しい分野である。
ホームページ閲覧を例に具体的なIT用語を入れると、おのおののレイヤーについて以下のようになる。
レイヤー1(物理層):LANケーブル(UTP、光ケーブル)、Wi-Fi電波、イーサネット
レイヤー2(データリンク層):MACアドレス、VLAN、スイッチング、スパニングツリー、QoS、ARP、イーサネット、HUB
レイヤー3(ネットワーク層):IPアドレス、ルーティング、NAT、アクセスリスト、TCP/IP、ルーター、インターネット、ファイアウォール
レイヤー4(トランスポート層):NAT、アクセスリスト、TCP、UDP、ICMP、ファイアウォール
レイヤー5(セッション層):セッション番号(自称)
レイヤー6(プレゼンテーション層):FTP、TELNET、
レイヤー7(アプリケーション層):Web、email、SNS、IP電話、パソコン、サーバー
回線から学内ネットワーク/サーバーまでワンストップ提供 無線LANエリア拡大・高速化と同時に運用性も向上
学校法人中央学院 中央学院大学 様
- オールAruba環境でキャンパスネットワークを大幅に強化
- アクセス回線の高速化によりボトルネックを解消
- ロールベースのアクセス制御で運用性も向上
ニーズ拡大を受け順次展開してきた無線LAN環境 高信頼の機器と可視化ソリューションで運用性も向上
国立大学法人 横浜国立大学 様
- 無線LANアクセスポイント増加に伴う管理性の課題を解消
- 故障の少ない機材で運用担当部署の負担を抑制
- 可視化ソリューション導入で、運用安定化向上と新型コロナ対策側面支援
複雑化が進む学内ネットワークを最新技術で全面刷新 アフターコロナを意識した 学びを止めないキャンパスを早期に実現
学校法人都築学園 日本薬科大学 様
- アクセス回線から学内LANまで10Gbpsバックボーンを整備
- 学内の大半に無線LANを展開し、効率的に一元管理
- 老朽化した配線の見直しと回線の冗長化で不安なく使える環境に
ルネサスエレクトロニクス株式会社 様
- 10GbEから100GbEへの更新で高速・低遅延化を実現
- スイッチの機能を駆使することで運用性も向上
- あらゆる障害を想定し、ダウンしないシステムを設計
ネットワークの設計
ネットワークの設計についてのヒント、提案から構築スケジュール調整まで説明します。
次は、セキュリティの役割と課題について、実用的な内容を説明したい。
【関連製品・ソリューション】
「Wi-Fi無線LANとイーサネット」に戻る
2020/1/31 HCNETビジネス推進グループ担当Y
(記載内容に関してご要望などありましたら、お問い合わせフォームへお願いします)
ネットワークの基本から課題解決事例までわかりやすくまとめています。会社や組織内のネットワークの導入や見通しを検討するときに必ずお読み頂きたい一冊です。