DHCPとは?
しくみからわかりやすく解説!
更新日:2025-09-22
- 基礎と応用
DHCPは、ネットワーク接続の利便性を高めるために必要な機能です。IPアドレスを自動で割り当てるため、手動割り当てに関する管理業務が軽減され、管理者の負担が大幅に削減されます。DHCPの導入の際には、ぜひ基礎知識を備えておきましょう。今回は、DHCPのしくみから準備すべきことをわかりやすく解説します。
DHCPとは?
DHCPとは、「Dynamic Host Configuration Protocol(ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)」の頭文字をとった言葉で、コンピュータがネットワークに接続して通信する際に必要な設定情報を自動的に割り当てる機能です。
コンピュータが通信を行うには、各コンピュータにIPアドレスを割り当てることで正しく通信できます。しかし、すべてのコンピュータに手動でIPアドレスを割り当てるのは時間や手間がかかります。また、台数が増えるほど管理者の業務負担は大きくなります。この課題を解決するのがDHCPなのです。

DHCPのしくみ
DHCPでは、「DHCPサーバー」と「DHCPクライアント」という二つの要素により設定情報を割り当てています。
DHCPサーバーとは、ネットワークに接続したいコンピュータに対し、IPアドレスなどの必要な情報を自動的に発行するサーバーです。
DHCPクライアントとは、接続しようとするコンピュータに備わる機能です。コンピュータのユーザーは、接続設定で内蔵されたDHCPクライアント機能を有効にするだけです。するとDHCPクライアントが適切な設定を自動で取得してくれるため、設定を手動で行う必要がなくなります。

DHCPクライアントによるIPアドレス設定の流れ
DHCPクライアントによりIPアドレスが自動的に設定されるまでの流れは次の通りです。
1.DHCPサーバーの発見(DHCP Discover)
DHCPクライアントは、ネットワーク接続時にまずDHCPサーバーを探索します。
2.IPアドレスの提案(DHCP Offer)
DHCPサーバーは、発見されたDHCPクライアントに対し、利用可能なIPアドレスを提案します。
3.IPアドレスの要求(DHCP Request)
DHCPクライアントは、DHCPサーバーが提案したIPアドレスの払い出しを要求します。
4.IPアドレスの割り当て(DHCP ACK)
DHCPサーバーは払い出し要求を承認した後、DHCPクライアントにIPアドレスを割り当てます。これにより、IPアドレスの割り当てが完了します。
DHCPを利用するために準備すべきこと
DHCPは、IPアドレス割り当ての利便性を高めるために必須の機能と言えます。その利用を進めるためには、主に次の二つの準備が必要です。
DHCPサーバーの構築
DHCPを利用するためには、DHCPサーバーの構築が必要になります。小規模な組織ではルーターのDHCP機能を利用することが多いですが、大規模な環境では専用のDHCPサーバーやネットワーク機器を設置するケースが一般的です。
DHCPクライアントの設定
次に、DHCPクライアントの設定を行います。例えば、PCにIPアドレスを割り振る際には、Windowsのネットワーク設定でDHCPクライアント機能を有効にします。具体的には、ネットワーク設定で「IPアドレスを自動的に取得する」「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」といったオプションを選択します。

DHCP機能が備わる「Account@Adapter+」
DHCPを円滑に利用するためには、まずDHCPサーバーの構築が必須です。導入の際には、ネットワークセキュリティに強く、信頼性の高いサーバーを選ぶことが重要です。
エイチ・シー・ネットワークスの「Account@Adapter+」は、DHCP機能のほか、認証機能、アクセス制御機能、アカウント管理機能など、多岐にわたる機能を一台のサーバーで実現します。
企業はもちろん、大学や病院など、不正なログイン防止や高度なセキュリティ構築が求められる環境への導入事例も豊富です。これにより、安心安全なネットワーク環境の構築に貢献します。
DHCPサーバー構築をご検討の際は、ぜひ詳細ページをご覧ください。
