漏洩同軸ケーブル LCX
小セル化により電波の干渉を抑制、安定かつセキュアな無線LAN
漏洩同軸ケーブル(LCX*)は微弱な電波を均一に放射することができ、電波干渉を抑制することによりLCX近傍で安定した無線LAN通信を実現します。 電波の届きにくい場所にLCXを敷設することで、電波の不到達範囲を最小限に抑えることが可能です。 * Leaky Coaxial Cable


LCX(漏洩同軸ケーブル)とは
LCX(Leaky Coaxial Cable)
漏洩同軸ケーブル(Leaky Coaxial Cable、LCX)とは、同軸ケーブルの外部に一定間隔でスリット(隙間)や孔が設けられており、電波を漏洩させることができる構造のケーブルです。これにより、ケーブルそのものがアンテナのような役割を果たすため、ケーブルから漏れた電波を特定のエリアに分布させることが可能です。主に、鉄道用列車無線、地下鉄・トンネル内の防災・消防無線などで使われています。
無線LAN-LCX
LCX(F-8D-LCX)とアクセスポイントの組み合わせによりLCXケーブル近傍が無線LANの電波エリアとなります。
構成例

LCXの電波特性(F-8D-LCX)
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電波の放射イメージ
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電波強度シミュレーション
LCX(漏洩同軸ケーブル)のメリット
LCXは天井、床に敷設することで、壁などの遮蔽物の影響を考慮する必要が無いため、ケーブル長の受信レベルを元に、LCXの敷設ルート(=電波エリア)を容易に設計することが可能です。また、トンネルなどの閉鎖的な空間でも通信を実現します。
無線LAN-LCX 対応アクセスポイントについて
株式会社プロテリアル製LCX(F-8D-LCX)は、下記製品と組み合わせで技術基準適合証明を取得しています。下記製品との組み合わせでは、AP-518を除き、2.4GHz、5GHz(w52, w53, w56)での技術基準適合証明を取得しています。そのため、他の無線APとの組み合わせでの利用はできません。
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Aruba 500シリーズ(Wi-Fi 6:IEEE802.11ax対応)
- AP-504 / AP-514 / AP-534
- AP-518(耐環境モデル)※
※ただし、LCXと組み合わせの場合は2.4GHzのみサポート
LCX(漏洩同軸ケーブル)の活用シーン(一例)
- 地下街、ビル内での無線LAN通信
- 工場内、倉庫内での無線LAN通信
- トンネル内での無線LAN通信
ダム監査廊 / 隧道
ダム監査廊や隧道などでのWifi通信

風力発電設備
鉄塔内での点検作業支援

プラント / 物流倉庫
自立走行するAGVやロボットの監視

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無線LAN LCXの紹介(動画)
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ロボット制御のLCX無線接続検証(動画)
LCX(漏洩同軸ケーブル)の特徴
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01 電波干渉を低減、安定した電波を供給
ケーブルから電波を放射するため、電波の死角がなくLCX近傍で安定した無線通信が可能
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02 周波数、場所を選ばず利用可能
これまで屋外での利用は2.4GHzに限られていたが、5GHz[W56]で利用が可能
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03 景観に配慮した無線インフラの構築
無線LANのアンテナとなるLCXを天井裏に敷設することで部屋の景観を損ねない
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04 1台の無線APで複数の部屋をカバー
長いLCX(最長100メートル)で部屋をまたいだ範囲のカバーが可能
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05 高セキュリティ、高密度な無線LAN環境を実現
微弱電波によりカバーする範囲はLCXの近傍に限られるため不正アクセス防止に有効小セル化により高密度な無線LANを実現
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無線LANの電波が遮蔽物で届かない場所
- ロッカーなどによる電波の死角
- 会議室などの不感知エリア
- 遮蔽物が多い倉庫など
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無線LANのカバーエリアが長い場所
不感知エリア、死角エリアを解消

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複数の部屋でも安定
天井裏に敷設することで、景観を損ねず隅々までエリアをカバー
- 仕切りの多い宿泊施設や病室でも、1台の無線APで死角の少ない無線環境を構築
- 1台の無線APで広範囲のエリアをカバーするため、ローミング不要
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高セキュリティ
秘匿性の高い会議室で高セキュリティを実現
無線カバーエリアはLCX近傍に限られるため、情報漏洩、外部からの不正アクセスを防止
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耐環境
耐環境エリアの無線化を実現
食糧倉庫・薬品倉庫など温度環境の厳しいエリアの無線化に最適
閉鎖的な空間でも
セキュアな通信を実現
LCXの
お問い合わせはこちら
LCX(漏洩同軸ケーブル)の導入事例
大学(音楽学科)様
レッスン教室(防音室内)への適用



天井裏にLCXを導入したピアノレッスン室エリア。
防音のため、分厚い扉と壁となっている

課題
音楽レッスン室は、防音機能を備えた構造のため壁が厚く、無線LANが届きにくいため教員、生徒は、廊下に出てWi-Fiを利用
解決
LCXにてレッスン室を隅々までカバー
- 各部屋にアクセスポイントを設置することなく、Wi-Fi環境を整備(コスト削減)
- 多くの吊り下げ型ケーブル径の太いLCXとは異なり、取り回しの良い細径のLCXを、天井裏に敷設することで、防音のため厚い壁となっているピアノレッスン室エリアへも、防音効果を損ねることなく敷設できた
LCX(漏洩同軸ケーブル)の提案事例【トンネル内】

利用可能な無線アクセスポイント
株式会社プロテリアル製LCX(F-8D-LCX)は、下記製品と組み合わせで技術基準適合証明を取得しています。下記製品との組み合わせでは、AP-518を除き、2.4GHz、5GHz(w52, w53, w56)での技術基準適合証明を取得しています。そのため、他の無線APとの組み合わせでの利用はできません。
日本ヒューレット・パッカード合同会社製 無線AP

Aruba 500シリーズ(IEEE802.11ax 対応)
AP -504 / AP -514 / AP -534 /
AP -518(耐環境モデル)*
*ただし、LCXとの組み合わせの場合は2.4GHzのみサポート
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