事例:LCXで、電波の透過しにくい防音室内のWi-Fi環境を効果的に構築

ネットワークのトータルソリューション:エイチ・シー・ネットワークス株式会社

学校法人 玉川学園 様

LCX(Leaky Coaxial Cable)で、
電波の透過しにくい防音室内のWi-Fi環境を効果的に構築

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文教 無線LAN

ポイント

  • 電波を通しにくい防音室内へWi-Fi®環境を構築
  • 柔軟性が高いケーブルで、狭い場所への敷設に成功
  • 2.4GHz、5GHz両帯域の無線LAN機器に対応

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導入製品

建物改修時に浮き彫りとなった、無線LANの課題

学校法人玉川学園
総務部 情報基盤システム課
課長補佐
鎌田 祐一 氏

学校法人玉川学園(以下、玉川学園)は、幼稚園から高等学校までを「K-12(Kindergarten to 12th)」として一貫教育を行い、大学・大学院も同じキャンパスに集結させ、学年や学部を超えた教育活動を展開している総合学園である。小田急線玉川学園駅前に広がる緑豊かなキャンパス内には70を超える建物が立ち並び数々の先進的な教育環境を整えている。また、いつでもどこでも学習ができる「Anytime Anyplace」の教育をめざし、ICT化についても早くから取り組んできた。キャンパス内には、各自が持ち込んだPCなどを接続できる「MyPCネットワーク」が整備され、2006年には全校Wi-Fi環境の構築も完了した。

しかし、2016年初頭から始まった視聴覚センターの改修工事の際に、新たな課題が浮き彫りになったという。この改修は、講堂と視聴覚センターを、本格的な音響環境を備えたコンサートホール「University Concert Hall 2016」としてリニューアルするとともに、一部を教員の研究室やレッスン室へと用途変更するという大がかりなものだった。ところが、この建物は元来から防音機能を備えた構造だったため壁が厚く、部屋の中には無線LANの電波が届きにくいのだ。

「従来は廊下に無線アクセスポイント(AP)を設置していたので、生徒には(電波の届いている)廊下に出て使ってもらっていたのですが、研究室の主な利用者は教員です。忙しい先生方に廊下へ出て使ってもらうわけにもいかないので、どう設計しようかと考えていました」と玉川学園 総務部 情報基盤システム課 課長補佐 鎌田 祐一氏は、当時の悩みを語り始める。電波の届きにくい研究室内で無線LANを使うためには各部屋に無線APを設置すればよいのだが、コストなどの面で現実的ではなかった。

「これらの問題をクリアし無線LANの電波を飛ばす方法を模索していた中で知ったのが、LCXです」と、鎌田氏は当時を振り返る。

LCXの内部構造

LCX(漏えい同軸ケーブル)とは、同軸ケーブルの外部に一定間隔でスリット(隙間)を設けたもので、ケーブル自体から微弱な電波を均一に放射することができる製品だ。壁や間仕切りなど遮へい物の多い場所でも、天井裏などにLCXを敷設することで電波を飛ばすことができ、無線LANの死角を減らすことができる。電波の放射は敷設したLCXの近傍に限られるため、電波干渉が起こりにくく安定した通信環境を構築できる。また通信エリアを限定できるので、不正侵入・傍受の抑制にも効果的である。

「既存の建物にWi-Fi 環境を構築する場合は電波状況などもある程度予測がつきますが、新たに設計する部屋の場合、無線APから部屋内まで電波が届くのか不安が残ります。しかしLCXなら、ケーブル敷設場所付近には確実に電波が届くことが把握できるので、設計しやすいと感じました」と、今回の改修工事にLCXが適しているという印象を持った鎌田氏は、すぐさまエイチ・シー・ネットワークスへ問い合わせを行った。数回にわたるメールでのやり取りのあと、貸出し品にて実際に現地検証を行い、実用的な手応えをすぐに得たようだ。そのためか、わずか2週間ほどの検討期間を経て導入が決定したという。

ケーブル取り回しのよさと、無線APの機能が要件に合致

では数あるLCXの中から、エイチ・シー・ネットワークスが提供する製品を選んだ理由はなんだろう。
鎌田氏は「他社の製品は、ケーブルが太く取り回しに適しませんでした」と、選定時を振り返る。LCX製品の多くは、ケーブル上部に敷設用の支持線(吊り下げ用の銅線)を設けているため、ケーブル径が太く柔軟性も乏しい。元来、直線的に敷設することを前提として設計されているため、狭い天井裏などへの敷設に制限がでてきてしまうのだ。
「部屋の防音効果を損なわないように、壁を跨がないよう各部屋の天井裏で大きく曲げて敷設する必要がありました。太いケーブル、柔軟性の低いケーブルでは、取り回しに融通が利かないため敷設時のリスクが高いと考えました」と鎌田氏は懸念していたことを口にする。その点、日立金属社製のLCXにはこの支持線がないためケーブル径も適度な太さで、許容曲げ半径60mmと柔軟性も高いため、狭い場所の敷設に適している。

【LCX敷説図】

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他にも、IEEE802.11nによる2.4GHzと5GHzの両方の周波数を利用できることも、要件のひとつだった。
「学校全体の設定として、2.4GHzと5GHzの両方の電波が必須でした。多くの学生が使うために、帯域を確保する必要があったのです」と鎌田氏は語る。また無線APの機能も重視したという。1つは、ユーザー管理の観点から、無線LANネットワークへ接続された機器のIPアドレスとMACアドレスを把握できるようブリッジ接続ができること。さらに、無線LANのトラフィックを圧迫するような無用なパケット(ブロードキャスト/マルチキャストなど)を流さない設定ができること。エイチ・シー・ネットワークスのLCXはArubaの無線APと組み合わせることで、これらすべての要件を満たしていた。
「管理する立場のことも考えられた、しっかりした製品だと感じました」と、鎌田氏は、選定時の印象を思い起こし笑顔を浮かべる。

各部屋内で一定の通信速度を確保、適材適所のベストな選択

LCXの敷設を含めた工事期間は約2か月を要し、2016年9月に「University Concert Hall 2016」は竣工した。世界レベルの音楽環境を備え、音楽を志す学生達の学びの場と して活用されている。

無線LANへは学生の私物であるPCやスマートデバイスなどさまざまな端末が接続される。インターネットの閲覧やメール送受信だけでなく、講義資料の掲載、遠隔授業といったeラーニング、履修登録・休講通知などの教務情報および図書館の資料検索・貸出情報照会などその用途は多岐にわたり、学園生活にWi-Fi環境は欠かせないものとなっている。
「(学生や教員など)使う立場からすれば、校内には電波が飛んでいることが前提なので、電波が届いていないという事態は避けなければいけません」と、鎌田氏はその重要性を説く。では、当初の課題は解決したのだろうか。
「敷設後に研究室内でダウンロード速度を測ってみましたが、どの場所でもおおむね一定の速度が出ましたので、目的は達成したといえます。当たり前のようですが、製品によっては一定の速度が出ない場合もあります。この点だけ見ても、しっかりしたエンタープライズ向けの製品だと感心しました」と、鎌田氏は満足気に語り、「University Concert Hall 2016内でLCXを採用したことは、利用人数や規模からするとベストな選択でした。まさに適材適所といえますね」と、その選定に自信をみせた。
さらに、「繰り返しになりますが、LCXは電波の届く範囲が事前に分かりやすいので、プランニングがしやすく予算も立てやすい。構築する立場からすれば、心配のタネが減るということです」と、LCX導入のメリットを力説した。

ネットワークの充実度がさらに増した玉川学園は、今後も魅力ある教育環境のもと、世界に通用する人材を輩出し続けるだろう。

学校法人 玉川学園 様

1929年に創立された玉川学園は、創立者小原國芳が掲げた「全人教育」を教育理念とし、幼稚部から大学院まで約1万人が広大なキャンパスに集い、幅広い教育・研究活動を展開している。「全人教育」では、「真・善・美・聖・健・富」の6つの価値を調和的に創造することを教育の理想としている。より専門的な知識と豊かな人間性を備え、日本社会さらには世界へ貢献する気概のある人材を育成していくことを使命としている。

導入製品

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