地上波送信アンテナの諸特性
兼六館出版株式会社 月刊「放送技術」2021年8月号掲載
無線通信補助設備とは
消防隊が消防活動を行うにあたり、地下街などの電波が届かない場所において、地上および防災センターと地下との通信を可能にするための設備です。
設置対象は?
地下街、地下鉄の駅舎、ビルの地下等
消防法上の設備位置付けは?
消火活動上必要な施設(消防法第17条の1および消防法施行令第7条の6による)
消防法第17条の規定により、地方ごとに無線機仕様の違い、使用周波数および出力の違い等により技術基準が設けられています。 基本的には、その地方の技術基準に基づき設置されます。
東京都の場合は予防事務審査・検査基準で下記の様に規定されています。
《予防事務審査・検査基準Ⅱ》改訂13 P634(抜粋)
接続端子に無線機を接続し、防火対象物内を移動する無線機と通信を行った場合、全区域にわたり無線連絡ができること。 ただし、次にあげる部分については、この限りではない。
システム完成までの流れ
当社は設計から定期点検までの一貫体制で対応しております。
点検および報告
無線通信補助設備は、消防庁告示9号の9および告示10号により、下記に示す有資格者による6カ月ごとの機能点検が定められており、消防署への報告は、消防法施行規則第31条の6により、防火対象物ごとに1年または3年ごとの報告が義務付けられています。
無線通信補助設備の概要例
構成部品 | 用 途 | 備 考 |
---|---|---|
耐熱漏洩同軸ケーブル(LCX) | 電波の発信、受信 | 社団法人電線総合技術センターの評定品に合格 |
耐熱同軸ケーブル (DCX)(10D-2E) |
LCXと機器との接続 LCXとLCXの接続 |
|
アンテナ | ホールなどサービスエリアが広い場所、 LCXを敷設できない場所 |
耐熱特性を有する |
共用器 | 2波以上の信号の混合および分波 | |
混合器 | 各ルートからの信号を混合 | |
分配器 | 信号を各ルートに分配 | |
ダミーロード | LCXの末端を終端 | |
端子箱 | 消防用の無線機接続用端子を収容 | |
収容箱 | 分配器、共用器などを収容 |
兼六館出版株式会社 月刊「放送技術」2021年8月号掲載
地下街、ビル地下、地下駅舎などの電波が届かない場所において、地上および防災センターと地下との通信を可能にするための消防無線システム(無線通信補助設備)の説明です。
柔軟なシステムやワークフローを支える堅牢なIPネットワークを実現