オリックス・システム株式会社 様

オリックスグループ各社が利用する共通基盤の仮想化環境を移行
納期など多数の要件をクリア、丁寧な対応で信頼関係も構築

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  • ネットワーク
  • サーバー・ストレージ
オリックス・システム株式会社 様

オリックス・システム株式会社 様

ポイント

  • 仮想化基盤を刷新し、既存環境より優れた運用性を実現
  • 性能や耐障害性、コストなどの要件を満たすべく綿密な検証を実施
  • 既存環境からのデータ移行のための回線、監視・運用窓口なども提供

導入製品

  • HCNET回線サービス
  • Cisco Nexus93180YC
  • Cisco Nexus9332C
  • Cisco Nexus93108TC
  • Cisco Catalyst9200L
  • FortiGate-601E
  • FortiGate-201F
  • F5 BIGIP-LTM i4600
  • F5 BIGIP-LTM i2600
  • HPE DX360 Gen10 サーバー
  • HPE DX360 Gen10 Plus サーバー
  • HPE DX380 Gen10 サーバー
  • HPE DX380 Gen10 Plus サーバー
  • Nutanix AOS/AHV
  • Nutanix Prism Central
  • ManageEngine Firewall Analyzer
  • ManageEngine EventLogAnalyzer
企業のセキュリティネットワーク導入事例集

大手総合金融サービス企業の戦略ITパートナー
グループ各社が利用する大規模共通基盤を運用

オリックス・システム株式会社
基盤設計構築部
サーバー基盤チーム長
N 氏

大手総合金融サービス企業として多彩な事業を 手掛けるオリックス株式会社。生命保険や銀行などのリテール金融事業、オフィスや物流施設の開発・投資、レンタカーやカーシェアなどの自動車関連事業など、グループ全体の事業は広範に及ぶ。
オリックスグループ全体のビジネスや業務に関するシステムを手掛けるのが、オリックス・システム株式会社だ。設計、構築、業務実装、グループ各社に最適解となるITサービスの提案を行っている。 オリックスグループでは2012年、コストやガバナンス、運用性などの改善を目指してグルー プ共通基盤を構築。各社が個別に有していた各種システムのサーバーを統合した。基盤設計構築部サーバー基盤チーム長のN氏は当時の状況を以下のように説明する。
「対象となったシステムは、グループ数万人が利用する大規模オンラインシステムや、数十TB のデータを扱うバッチシステムなど多種多様です。サーバーもメインフレームからオープン系サーバーまで各種あり、それらがさまざまなデータセンターで稼働していました。統合の際には、レガシーシステムのオープン化はもちろん、アプリケーションそのものの見直しも行っています」
グループ共通基盤では約500台の仮想サーバーが稼働、国内のグループ各社が利用してい る。しかし、共通基盤を置くデータセンターが2024年にサービスを終了することになり、新たな基盤を構築する必要に迫られた。

既存環境で見えてきた課題を改善すべく
Nutanixを用いたプライベートクラウドを計画

新たな共通基盤は、オリックス・システムが自前で構築・運用することにした。最新の仮想化技術を活用し、既存の共通基盤での運用経験を踏まえ、情報セキュリティの担保やシステ ム提供の迅速化、運用効率化、性能向上、コストメリット拡大などを目指している。
「2012年からの共通基盤はIaaSを用いており、物理構成は事業者側の管轄でした。そのため、障害発生時などには影響範囲や復旧までの見通しが見えません。性能面の問題が生じた際にも、ストレージのコントローラー 使用率やディスクビジー率、FC帯域・ネット ワーク帯域使用率などの情報が提供されません。また、ハイパーバイザーをバージョンアップする際は仮想サーバーを停止する仕様 で、サービス停止の調整は極めて困難でした。また、事業者側がメニューとして定義していないサービスを使いたい場合、その費用 は個別見積もりとなります。必要ではあるものの提供されない機能もあり、制約が大きいと感じていました」(N氏)
次世代の共通基盤について、オリックス・システムは2019年頃から検討を開始。同社 が理想とする基盤のあり方を定義した上でプランを策定、ギャップを分析して現実解に落とし込んだ。理想像としては、「保守課題の 改善」「新技術の取り込みによる運用効率化」 「アプリケーションチーム・ユーザー要望の取り込み」「コスト低減」などを挙げている。 「導き出した要件は、『ハードウエア更改やファームアップをサービス無停止で実施できること』『90000IOPSをクリアするディスク性能』『ハードウエア・ソフトウエアのコスト削減』『クラウド連携』などです。主要なHCIやパブリッククラウドを比較検討した結果、Nutanixでプライベートクラウドを構築することに決定しました。Nutanixは要件に対する評価が良好だった上に、オリックス生命保険でも実績がある点も決め手の1つです」と、N氏は説明する。

ネットワークに加えNutanixの実績も豊富な
エイチ・シー・ネットワークスの協力でプロジェクト開始

ただし、オリックス・システムの社内にはNutanixの技術者やナレッジが乏しく、発生する問題の予測が難しいといった懸念材料も あった。
新共通基盤の検討を進めていた2020年11月、新たにオリックス株式会社の連結子会社となったのが、エイチ・シー・ネットワークスだ。その実績を買ったオリックス・システムの経営層から、共通基盤プロジェクトチームに紹介されたという。
「すでに社内の別のチームでネットワーク 構築や保守などの実績があり、作業品質も問題ないと聞いていました。また、ネットワークに関する知見だけでなく、Nutanixの構築実績も豊富です。Nutanixを用いた基盤構築では、当社内でもサーバーとネットワークの チームが協力する必要があるため、両方の知見を持つパートナーが必要でした」(N氏)
エイチ・シー・ネットワークスがプロジェク トに加わったのは、2021年3月頃。設計を進めつつ検証機材を手配し、同年秋ごろにはPoCに着手した。
「プロジェクトを停滞させないために迅速な 判断やエスカレーションを心掛け、リスクの早期つぶし込みと、メンバーの早期スキル取得のためPoCを実施しています。エイチ・シー・ネットワークスには、期日を間に合わせ てくれる上に仕事の精度も高い印象を受けました。またNutanixについて、こちらが初歩的な質問をした場合にも丁寧に説明してくれたので、理解度のすり合わせができました」(N氏)
設計およびPoCでは、サーバーのサイジングなどを重点的に検証。ライセンスコスト低減や、性能・信頼性・運用性の向上を目指し、繰り返し検証して最適解を詰めていった。

納期遅延にも大きな影響を出さず基盤構築を完遂
エイチ・シー・ネットワークスに期待

ところが半導体不足、コロナ禍でのリモートワーク需要増加などが影響し、回線や機材の納期が想定より遅延することが判明した。
「正式発注した時点で、4カ月の遅延が見込まれたのです。状況は悪化する一方で、さらなる遅延の可能性も考えられたため、納期状況の週次モニタリングを徹底しました。エイチ・シー・ネットワークスは、先回りしてメーカーへプッシュしてくれました。その結果、遅延の拡大を避けることができたのです。構築作業でも、当初計画で3カ月ほどの作業を実質1カ月くらいで完遂してくれたので、問題なく2022年10月にリリースできました」とN氏は当時を振り返る。
基盤構築に続いて、オリックス・システムでは既存の共通基盤からのシステム移行に取り組んでいる。すでに一部の移行・リリースが行われ、いずれも問題なく稼働している。なお、システム移行のためデータセンター間を結ぶ回線には、HCNET回線サービスが採用されている。
今後について、N氏はこう語る。「取り組み全体のゴールはまだ先です。2024年8 月までに、既存の共通基盤から全システムを移行しなくてはなりません。また共通基盤については、マイクロサービス化などの戦略を中長期的に考えています。エイチ・シー・ネットワークスには、共にグループアーキテクチャの構想に協力していただきたいですね」 「事業拡大中でITエンジニアを随時募集し ています」

お客様情報

オリックス・システム株式会社 様

URL:https://www.orix.co.jp/system/

オリックスグループ各社に、システムの企画・提案から開発・構築、業務運用・保守サービスなどを提供する、オリックスグループのITの専門家企業。

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