SERVICE ORCHESTRAを活用した拠点ルーター更改

オリックス・システム株式会社 様

新たな月額提供サービスを活用して
グループ各社が利用する共通基盤のWAN環境を更新

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オリックス・システム株式会社 様

オリックス・システム株式会社 様

ポイント

  • レンタルとは異なる月額提供サービスによる機材調達
  • 要求仕様のみならず将来性も考慮し、最新機器を提案
  • ミッションクリティカルな環境での機材更改をトラブルなく完遂

導入製品

企業のセキュリティネットワーク導入事例集

大手総合金融サービス企業の戦略ITパートナー
グループ各社が利用する大規模ネットワークを運用

オリックス・システム株式会社
共通基盤運用部
ネットワーク運用チーム
大田 雅人氏

 多角的金融サービス業として多彩な事業を手掛けるオリックスグループ。生命保険や銀行などの個人向け金融事業、不動産関連事業、レンタカーやカーシェアなどの自動車関連事業など、グループ全体の事業は広範に及ぶ。

 オリックスグループ全体のビジネスや業務に関するシステムを手掛けるのが、オリックス・システム株式会社(以下オリックス・システム)だ。設計、構築、業務実装、グループ各社に最適解となるITサービスの提案を行っている。共通基盤運用部ネットワーク運用チームは、その中でもグループ共通基盤のネットワーク全般を管轄する部署だ。

 チーム内には3つのユニットがあり、インターネット/WAN/LANをそれぞれ管轄している。このうちWANユニットに所属する大田雅人氏は、担当業務について、次のように語る。

「われわれが担当するのは、グループ会社が全国各地に持つ事業拠点やデータセンターとの間を結ぶWAN環境です。グループ各社の事業を支える重要インフラであることから、作業時などは業務への影響が出ないよう細心の注意を払う必要があります」

 そのWANに欠かせないルーター機材は、全国約300拠点で約400台を利用している。これまでは、WAN回線を契約する通信事業者から60カ月(5年)のレンタルで調達していた。しかし、契約期間中にも、拠点の統廃合や新設などが生じることがあるため、レンタル契約の柔軟性に課題を感じることもあったという。

「例えば、5年の契約期間を過ぎて利用し続ける場合でも、月額費用は変わりません。また、当社側の都合で利用しない期間があったとしても、契約期間中の費用は発生し続けます。そのため拠点が減ったときなどは、余剰となったルーターなどの機材をわれわれの部署で引き取り、在庫として管理しておくこともしていました」(大田氏)

レンタル契約に代えて新たな契約形態で調達
シナジー効果も期待しエイチ・シー・ネットワークスを選定

 2020年、全体約300拠点のうち約40拠点、ルーター約80台のレンタル契約と保守期間の満了が近づいてきたことから、オリックス・システムは機材更新に向けて動き出した。3月に既存の通信事業者をはじめ複数のベンダーに提案を依頼し、3社の提案を比較検討した末に選んだのが、エイチ・シー・ネットワークスだった。

 選定した決め手の1つが、「SERVICE ORCHESTRA(サービスオーケストラ)」による機材調達だ。これはエイチ・シー・ネットワークス独自の、買い切り型でもレンタル契約でもない新たな調達形態で、一定期間を月額費用で利用し続けることができる。SERVICE ORCHESTRAは、買い切り型の調達とは異なり、多額の初期費用は発生しない。また、多くのレンタル契約とは違い中途解約時の費用負担が抑えられ、契約期間を延長する際にも月額費用の引き下げなどのメリットがある。

「われわれとしては、高額な機材を資産として所有することや、初期費用が高くつくことはデメリットになると考えており、月額費用で利用できる提案をしてきた既存事業者とエイチ・シー・ネットワークスのどちらかを選ぶことにしたのです。エイチ・シー・ネットワークスは2020年11月からオリックス株式会社の連結子会社となっており、これまでにも複数のプロジェクトで当社に協力してもらってきました。今回も、お互いのナレッジ共有などが期待できるといった考えから、エイチ・シー・ネットワークスを選定しています」と、大田氏は選定の経緯を説明する。

システム図

柔軟な対応で限られた期間内に約40拠点の機材更新作業を無事に完遂

 オリックスグループ共通基盤のWAN機材更新プロジェクトは、2022年6月からスタートした。プロジェクトにはエイチ・シー・ネットワークスの子会社であるグローバルコムサービスも参画し、各事業拠点での構築実務などを担当した。

 今回のプロジェクトでは、約40拠点の業務を支えるミッションクリティカルなWAN環境の機材を更新するため、計画や事前検証など綿密な準備が必要だった。そこで、全体スケジュールを、まずオリックス・システムとエイチ・シー・ネットワークスとの間で仮決めした上で、オリックス・システムが各事業拠点のユーザー各社との間で調整し、詳細な日程を決定した。また、構築に伴うトラブルを最小限にとどめるため、エイチ・シー・ネットワークスが入念に検証を行った上で作業手順書を作成し、グローバルコムサービスが内容を確認して実作業に臨んだ。大田氏は、このようなエイチ・シー・ネットワークスの対応を、以下のように評価している。

「プロジェクトでは6カ月あまりの期間で約40拠点、月あたり6~8拠点のペースで作業する必要がありました。そこで、エイチ・シー・ネットワークスは作業手順書や設計書などの作成を迅速に進め、納期を遵守してくれました。更新作業に取り掛かってからも、拠点側の都合で、作業スケジュールの変更を余儀なくされる場面もありましたが、エイチ・シー・ネットワークスはグローバルコムサービスとの間で人員などを調整して、柔軟に対応してくれたのです。拠点数が多いため、完遂できるか不安はあったものの、両社の協力もあって無事にスケジュール通りプロジェクトを完了できました」

 大田氏の言葉通り、プロジェクトにおいて大きな障害は発生せず、作業に起因する業務への影響はほぼ生じていない。事前検証で確認できていなかった問題により、プロジェクト初期の作業で若干の不具合が確認されたものの、オリックス・システムとエイチ・シー・ネットワークス、グローバルコムサービスの3社が協力して対応することで解消した。以後の作業では、この問題を踏まえた改訂版の手順書を用い、順調に進めることができたという。

技術面でのサポートなどさまざまな支援や次期ネットワーク構想への提案に期待

 今回のWAN機材更新プロジェクトは、2024年3月に完了した。その後、オリックスグループでは事業拠点の新設に伴うルーターの追加などもあったと言います。

「導入後には、ルーター機材のソフトウエアに新たなバージョンがリリースされました。このバージョンアップ作業も近く行う方針で、その際には再びエイチ・シー・ネットワークスに、事前検証から依頼しようと考えています」(大田氏)

 オリックス・システムでは今後、グループ共通基盤のWAN環境に、SD-WANを取り入れた機能拡張を検討している。まだ構想段階とのことだが、今回の更新で導入した機材はその構想を踏まえて選定されたものだ。

「追加ライセンスを購入することで『機能を拡張できるように』という機能要件は、今回の機材更新プロジェクトの選定段階から入れてありました。次期ネットワーク構想を実現していく過程でも、エイチ・シー・ネットワークスの提案を期待しています。また、現状のネットワーク環境においても、監視や保守なども含めさまざまな提案を期待しています。今回のプロジェクトを通じて技術者のナレッジが豊富であることが分かりましたので、よりコミュニケーションを深めていき、われわれに不足しがちな技術領域のナレッジを提供いただきたいです」(大田氏)

お客様情報

オリックス・システム株式会社 様

URL:https://www.orix.co.jp/system/


左よりエイチ・シー・ネットワース(株)
エンタープラ イズ営業本部
エンタープライズ営業部
産業・流通営業グループ 吉田太
オリックス・システム(株) 大田雅人 氏

オリックスグループ各社に、システムの企画・提案から開発・構築、業務運用・保守サービスなどを提供する、オリックスグループのITの専門家企業。

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