公益財団法人 がん研究会 様

最新のがん医療を支えるOA系基盤システムを
クラウド+オンプレミスの統合により実現

  • 病院・医療機関
  • セキュリティ
  • 無線LAN
  • サーバー・ストレージ
公益財団法人 がん研究会 様

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ポイント

  • Office365®(Exchange online)を利用したメールシステムのクラウド化
  • クラウドとオンプレミスで高い可用性と利便性の両立を追求
  • 顧客環境の深い理解に基づくインテグレーションの実現

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導入製品

病院・医療機関のセキュリティネットワーク導入事例集

可用性の高い基盤システム構築をめざして

公益財団法人 がん研究会
経営本部 情報システム部
情報システム課 係長
亀井 大輔 氏

我が国初のがん専門機関として創設された公益財団法人がん研究会(以下、がん研)。病院と研究所が同一敷地内にあり、民間機関ならではの制約が少ない自由闊達な活動を通じて、日本のがん研究と医療における主導的役割を果たしている。がん研のインフラは、電子カルテシステムを中心とした診療系ネットワークとOA系ネットワークから成る。今回のOA系サーバー更新にあたり、可用性、利便性の高い環境を検討。がん研の基盤システムに10年近く関わっている、日立電線ネットワークスが全面的に支援した。推進役を担った亀井氏は語る。

「前年度にOA系システムで利用していた共有ストレージに障害が発生。仮に障害が発生してもユーザーサービスに支障をきたすことのないシステムを構築する必要に迫られました。影響が大きかったのがメールシステムです。ドクターや研究者、また業務を支える事務部門が安心して使えるしくみづくりと、運用管理の負荷を軽減するための取り組みを開始しました」。
病院、研究所、事務部門から約10名のメンバーを選出して、ワーキングチームを編成。より安定したシステム構成の導入と、メールシステムの利便性向上をめざして、サーバー更新に向けた検討を4か月間重ねることになった。

クラウドとオンプレミスの併用で可用性を向上

公益財団法人 がん研究会
経営本部
情報システム部 部長
田中 孝明 氏

日立電線ネットワークスは、旧共有ストレージの障害によるOA系システムの停止という事態を受け、常時稼働が必須であり使い勝手のよさが求められるメールシステムは、従来のオンプレミス環境からクラウド上のOffice365®(Exchange online)に移行することを提案した。更にログイン認証に際しては、がん研内のAccount@Adapterで管理しているLDAP情報をクラウド上のActiveDirectory®(以下AD)と連携。仮にがん研内で障害が起こり、LDAPサーバーやがん研内のADが停止したとしても、ユーザーはクラウド上のADに問い合わせをするため、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもどのようなときでもメールシステムを利用できる環境とすることを提案した。がん研内のサーバーとストレージについても、可用性の高い構成で提案。重要度が高いサーバー(認証、AD、DNS、DHCP、外部Web)は2台の共有ストレージにそれぞれ分散させ冗長構成とし、ログ管理サーバーやシステム監視サーバーのような障害時でもエンドユーザーに直接影響しないサーバーはシングル構成とすることで、可用性を高めつつも、費用対効果を考慮した構成を提案した。

ストレージの障害がもたらしたメールシステムのダウン。リプレイスを契機にメールシステムをクラウド化したことで、安定性と利便性が飛躍的に高まったと評価する。
「Office365®(Exchange online)は、離れた二つの地域のデータセンタで冗長構成をとっているため、ディザスタリカバリという観点でも安心できる構成であると感じています。また、旧メールシステムではがん研内で利用している端末で操作するときと、外部でWebメールを利用するときとでは微妙に操作性が違うなど、直観的な操作がしづらかったのですが、Office365®(Exchange online)に切り替えたことにより、外部からWebメールを利用する際や、スマートフォン・タブレットで操作するときも、Outlook®と同等の操作性を有しているため、ストレスなく利用できるようになりました」と田中氏は語る。

総合力を高く評価、サーバーの品質を工場で実感

公益財団法人 がん研究会
経営本部 情報システム部
情報システム課
松丸 貴裕 氏

オンプレミス環境で利用するハードウェアには高い品質が求められる。日立電線ネットワークスが提案したサーバー・ストレージの工場見学には、4人全員が参加した。製品の信頼性を製造現場で確認し、日立グループの品質重視の姿勢を実感したと松丸氏は言う。
「全体の3分の2が検査工程になっているのに驚きました。念入りにチェックして出荷されている。安心して使えるハードウェアだと確信しました」

「製品の品質も高いですが、やはり技術力。グループ内の製品を利用するため豊富な知識を持っている。ネットワークスイッチの調達と同様に、サーバーについてもハードウェア調達からインテグレーションまでワンストップでやっていただけたことが大きいです」と小暮氏は語る。

公益財団法人 がん研究会
経営本部 情報システム部
情報システム課 課長
小暮 昌孝 氏

Office365®などの他社製品やオープンソースソフトウエアを含めたインテグレーション力と、技術力・営業力が一体となった総合力が、日立電線ネットワークスの強みと亀井氏は評価する。
「基幹ネットワークシステムの理解をもとに、システム全体を見ていただきました。担当の方のスキルも非常に高く、実現したいイメージを相談すると、がん研のシステム全体の環境やユーザー特性を理解した上で、がん研に最適なソリューションを提案してくれます。今回のOA系サーバーシステムの更新でも、可用性・利便性だけでなく経済性も鑑みた上で相談にのっていただきました。構築・保守ベンダーというだけでなく、今後も継続してお付き合いしていくパートナーという観点でも日立電線ネットワークスにお願いしてよかったと思っています」と亀井氏は評価している。

がん研の環境に精通し、今後もワンストップで支える

診療系・OA系ネットワークの導入ベンダーでもある日立電線ネットワークスが提案した無線LAN環境の整備は、がん研にとって大きなターニングポイントとなった。従来から、IP電話の利用や、ナースコールシステムのIP化、患者さま呼び出しシステムの利用、更には職員の業務効率化を目的として、無線LANをがん研全域に整備することへの要望はあったが、患者さま向けサービスをのせる重要インフラとしての安定性に対する不安や、大規模な無線環境を運用することによる運用負荷増大への懸念があった。
「ネットワークシステムの全面リプレイスに際しご提案いただいた、アクセスポイント(以下AP)の電波出力を自動で調整するAdaptive Radio Management(ARM)により、APの故障時にも安定した無線環境の維持が可能になりました。また、コントローラによる一元管理構成としたことで運用負荷も気になりません。がん研全体に無線環境が整備されたことにより、タブレット端末を使うシステムの導入も積極的に行えるようになりました」と亀井氏は語る。
アメニティLANもその一例。診療系・OA系の業務系のネットワークとは物理的に別な構成とし、患者さまが無線LANを使ってインターネットを自由に利用できる環境へ向けた整備を進めている。

今後の展開を視野に入れながら、日立電線ネットワークスに期待を寄せる。
「情報システムの業務がますます増えているいま、運用管理も簡素化して効率化することを目標としています。限られた要員でシステムを維持管理していくのは苦労が多い。ニーズに応じて柔軟にサポートしていただければ、非常に助かります」と田中氏は期待する。
「日立電線ネットワークスは、がん研の環境に精通されている。作業を行う際も研究所や病棟の施設、利用者をきちんと把握し、環境に応じた最適なシステムを顧客目線で提案していただけるので、今後も継続的な支援をお願いしたいですね」がん研の基盤システムを継続的に支えながら、最先端のがん医療の現場に貢献する、よりよいソリューションを提供することが責務となっている。

お客様情報

公益財団法人 がん研究会 様

URL:http://www.jfcr.or.jp/

1908年(明治41年)に日本初のがん専門機関として発足。「がん克服をもって人類の福祉に貢献する」の理念を掲げ、100有余年にわたり、日本のがん研究とがん医療における主導的役割を果たしてきた。病床数700を誇る病院と研究所が一体化し、日本最大のがん専門施設として、最新のがん医療を提供。がんおよび関連疾患の診断や治療に優秀な成果を上げている。

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