株式会社中日新聞社 様

セキュリティと利便性を両立するシングルサインオン
災害対策も考慮しハイブリッドクラウド環境で導入

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  • ネットワーク
  • セキュリティ

株式会社中日新聞社 様

ポイント

  • 新たなSaaSグループウエアと既存社内サービスにシングルサインオン(SSO)連携
  • 自社HCIとIaaSの両方に仮想アプライアンスを展開してDRを実現
  • 要望を真摯(しんし)に受け止め、着実に改良する誠実な対応

導入製品

企業のセキュリティネットワーク導入事例集

地域密着型の大手新聞社
業務遂行を支えるシステムをモダナイズ

愛知県名古屋市に本社を置く株式会社中日新聞社は「中日新聞」をはじめ、「東京新聞」「北陸中日新聞」「日刊県民福井」「中日スポーツ」「東京中日スポーツ」の各媒体を、それぞれの地域で発行している。
西日本新聞と連携した調査報道で「愛知県知事リコール署名大量偽装事件」をスクープし、2021年度新聞協会賞を受賞。また、「スマートファクトリー」のテーマで属人的な経験や技能に左右されない印刷工場の将来像を示し、新聞技術賞も同時に受賞した。
新聞製作に関するシステムや社内のネットワークインフラ等は技術局が管轄している。一方、経営・管理、営業部門等が利用するシステムの各基盤を所管するのが、経営企画室経営システム部だ。同部署が管理するシステムの1つであるグループウエアは、2021年にGoogle Workspaceへ移行した。
「2006年に事務改革を進めるため、オンプレミスのグループウエアとワークフローシステムを導入しました。ワークフローにより事務処理の自動化やデータの蓄積といった当初の目的は達成できたものの、グループウエア機能は有効に活用されず、部門間連携やリモートワーク等、近年の課題に対処できない危機感を抱いていました。更新にあたり、クラウド型のグループウエアへの移行を決めたのは、コンセプトそのものからモダナイズして業務変革のトリガーとしたいとの思いからです」と、経営システム部 部長の佐藤幹氏は説明する。
一方でワークフローシステムは現行の環境を継続。同システムの利用状況を見ると、日常的に活用している社員の多くはグループウエアにログインした上で、社内のシングルサインオン(SSO)システムを介してアクセスしている。そのため、グループウエアのクラウド移行後もオンプレミスのワークフローシステムに容易にログインできることが重要視された。
また、全社員に配布したスマートフォンからのアクセスが可能となるなど、グループウエアの利用シーンの増加が予想されたことから、社内の既存システムに橋渡しできるSSO環境の構築に期待する声も上がった。

機能面の将来性や仕事ぶりなどに
期待してOneID@Adapter仮想
アプライアンスを採用

SSOを実現するには、クラウドサービスを使う方法もあるが、使い勝手や運用スタイルなどにおいて、オンプレミスのSSOシステムと異なる部分も多い。そのため中日新聞社では、従来通り自社内にSSOシステムを構築した。SSOシステムの要件について、経営システム部 部次長の吉川茂一氏は、以下のように説明する。
「オンプレミス環境で構築された社内システムとSaaSであるGoogle Workspaceを連携させて、SSOを実現する必要がありました。またBCPを考慮し、オンプレミス環境とパブリッククラウドを併用したDR構成が可能な製品を求めていました」
これに対して複数のSSO製品の提案があったが、利用には既存の社内システムやネットワークポリシーの見直しなどの変更が必要だったため、経営システム部が独自にSSO製品を探したという。その際に候補として挙がったのが、エイチ・シー・ネットワ-クスのSSOアプライアンス/仮想アプライアンス製品『OneID@Adapter』だった。
「IT関連のWeb媒体のメルマガを見て、エイチ・シー・ネットワ-クスに問い合わせました。ほかにも既存取り引きベンダーから提案された競合製品があって比較検討しましたが、費用感が理想的だったこと、機能面で将来性を感じたこと、日立グループ出身のメーカーとして手堅い仕事を期待できそうだと判断したことから、OneID@Adapterを採用しました」(吉川氏)
中日新聞社ではOneID@Adapterを仮想アプライアンスとして調達。自社ハイパーコンバージドインフラ(HCI)上の仮想化基盤と、パブリッククラウドのAWSに導入し、DR構成で運用を開始した。

株式会社中日新聞社
経営企画室
経営システム部
部次長
吉川 茂一 氏

コロナ禍の中、リモートで
やり取りしつつ機能を拡充させ、より使える製品に仕上げていく

株式会社中日新聞社
経営企画室
経営システム部
若林 哲郎 氏

エイチ・シー・ネットワ-クスが中日新聞社と最初にコンタクトを取ったのは2020年2月のこと。システムの検討・選定中に新型コロナウイルス感染症が拡大してしまい、リモート会議で提案を続けた。OneID@Adapterの採用決定後は、導入や設定などの作業はできる限りリモートで対応した。中日新聞社が採用したのは仮想アプライアンス版だったため、エイチ・シー・ネットワ-クスは技術者を派遣することなく2021年7月に納入を完了している。
とはいえ、導入当初のOneID@Adapterは、中日新聞社が必要とする機能をすべて備えている状態ではなかった。しかし、この点はほかの競合製品でも同様だったため、「ベンダーと一緒に作る」ように考えたと吉川氏は言う。
「例えば、Google WorkspaceはメールアドレスをIDとして用いていますが、当社の社内システムは社員番号に基づくID体系としています。そういったギャップを埋めるため、新たな機能を実装してもらう必要があったのです」(吉川氏)
エイチ・シー・ネットワ-クスでは、OneID@Adapterの機能を充実させ、より多くのユーザーに使いやすい製品にしようと考えており、中日新聞社の要望から製品の改良を繰り返した。経営システム部の若林哲郎氏は、そのやり取りに関わった上で、次のように述べる。
「Google Workspaceのほかにも、社内のさまざまなシステムと連携する必要があり、数々の要望をエイチ・シー・ネットワ-クスに伝えました。リリースされるたびに確認し、新たな要望を伝えていましたね。例えばSAMLにおいて、OneID@Adapterからのレスポンス内容で、IDと合わせて社内システムに必要な付加情報を出せるよう機能を追加してもらう、といった感じです。エイチ・シー・ネットワ-クスはテンポ良く対応してくれたので、われわれもやりやすいと感じました」(若林氏)
こうして課題や問題点を解決し、2021年秋ごろには本格稼働へ進めるめどがついた。10月には、それまでHCI上のみの片系で稼働させていたOneID@AdapterをAWS上にも展開。試験運用を通じて作り込んだ設定を適用することで、ハイブリッドクラウドのDR環境も整えた。

グループウエアと同時にSSOも
本格稼働「いい仕事をしてくれるパートナー」に今後も期待

2021年12月、中日新聞社はGoogle Workspaceの本格運用を開始した。すでに準備が整っていたOneID@AdapterによるSSO環境も、本格稼働を迎えることとなった。
「移行後のグループウエアは利用率が大きく向上しました。グループウエアとSSOを無事に移行でき、全社員の日常業務に欠かせないしくみになりつつあります。今回のプロジェクトでエイチ・シー・ネットワ-クスが、最初から実績を過剰に見せることもなく、実直に対応してくれたことに『誠意』を感じました。こちらの要望を的確にくんでくれるパートナーと考えています」と、佐藤氏は評価する。
中日新聞社では今後も、システムやネットワークのさまざまな変更を検討している。SSOも、環境に合わせて変化・対応しなければならない。
「SSO対象外のシステムは、段階的に統合する方針です。例えば、現在使っている社内チャットツールはSSO対象外。社員用スマホの機種変更などのタイミングに合わせ、実施することを検討しています。また社内ネットワーク構成も、ゼロトラストセキュリティの考え方に基づく新たな設計へ見直す動きがあります。認証に関する部分を大きく変更する必要があるため、エイチ・シー・ネットワ-クスに相談することになるでしょう。今後も、パートナーとして期待しています」(吉川氏)

株式会社中日新聞社
経営企画室
経営システム部
部長
佐藤 幹 氏

お客様情報

株式会社中日新聞社 様

URL: https://www.chunichi.co.jp/

愛知県名古屋市に本社を置く大手新聞社。日刊新聞(中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井、中日スポーツ、東京中日スポーツ)・書籍の発行のほか各種事業を手掛ける。

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