VPNが抱える脆弱性とは?事例から対策まで解説

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VPNが抱える脆弱性とは?事例から対策まで解説

近年、リモートワークの普及に伴い、VPN(Virtual Private Network)の利用が急増しています。VPNは、インターネットを介して安全に企業内ネットワークにアクセスするための重要なツールとして広く認識されています。しかし、VPNは万能ではなく、その脆弱性がしばしばサイバー攻撃の標的となることがあります。
本コラムでは、VPNの脆弱性に起因する具体的なリスクと対策について詳しく解説します。VPNの適切な運用と最新のセキュリティ対策を理解することで、企業のネットワーク・セキュリティの強化にお役立ていただければ幸いです。

VPNのしくみと種類

はじめに、VPNのしくみと種類について解説していきます。

●VPN(Virtual Private Network)とは

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上でプライバシーを保護しながら、安全にデータを送受信するための技術です。VPNを利用することで、ユーザーは遠隔地からでも企業の内部ネットワークに安全にアクセスでき、外部からの不正アクセスやデータ漏洩を防ぐことができます。特にリモートワークが普及する現代において、VPNは重要なセキュリティ対策となっています。

●VPNのしくみ

VPNは、インターネットを介して安全な通信を実現する技術です。
そのしくみには、主にトンネリング、カプセル化、認証、暗号化の4つの要素が関わります。
まず、トンネリングは、インターネット上の通信データを特定の経路を通じて送信する技術です。これにより、外部からの不正アクセスを防ぎます。次に、カプセル化は、データを別のデータパケットに包むことで、元のデータを隠します。これにより、データの内容が第三者に漏れるリスクを低減します。認証は、通信する双方が正当なユーザーであることを確認するプロセスで、これにより不正なアクセスを防ぎます。最後に、暗号化は、データを暗号化することで、盗聴やデータ改ざんを防止します。これらの技術が組み合わさることで、VPNは高いセキュリティを実現しています。

●VPNの種類

VPNにはさまざまな種類がありますが、主に使用されているのが、インターネットVPN、IP-VPN、エントリーVPN、広域イーサネットです。
それぞれの用途や規模に応じて選択することが重要となり、企業や個人が自分に最適なVPNを選ぶことで、安全かつ効率的な通信環境を構築することができます。

VPNのしくみと種類

VPN利用時に注意すべき脆弱性

続いて、VPN利用時に注意すべき脆弱性について解説していきます。

●VPN機器の脆弱性によるもの

VPN機器自体が脆弱性を抱えている場合、外部からの攻撃に対して非常に危険です。特に、古いファームウエアや未更新のセキュリティパッチが原因で、攻撃者に侵入の機会を与えてしまうことがあります。例えば、CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)に登録されている脆弱性が放置されると、リモートコード実行や情報漏洩のリスクが高まります。定期的なアップデートとセキュリティパッチの適用が不可欠です。

●公衆回線の利用

無料VPNや無料Wi-Fiを利用する際には注意が必要です。無料VPNはセキュリティ対策が不十分である場合が多く、データが暗号化されていないこともあります。これにより、通信内容が第三者に盗聴されるリスクが生じます。また、無料Wi-Fiも同様に、暗号化されていない通信が狙われやすく、個人情報や機密データが漏洩する危険性があります。信頼性の高いVPNサービスを選び、できるだけ公衆回線の利用を避けることが重要です。

●ウイルス感染した端末

ウイルス感染した端末をVPNに接続すると、脅威が内部ネットワークに拡散するリスクがあります。特にランサムウエアに感染すると、データが暗号化され、身代金を要求される可能性があります。ランサムウエアは一度侵入すると、ネットワーク全体に広がり、業務停止やデータ損失などの重大な被害を引き起こします。ウイルス対策ソフトの導入と定期的なスキャンを行い、感染リスクを最小限に抑えることが重要です。

●内部に侵入されるとフリーハンドでアクセスできるようになる点

一度内部に侵入されると、攻撃者はフリーハンドでネットワーク内のリソースにアクセスすることが可能になります。これにより、重要なデータの盗難や改ざん、さらにはシステム全体の制御権を奪われる危険性があります。内部のアクセス権限を厳格に管理し、異常なアクセスを早期に検知するための監視体制を整えることが求められます。

VPN利用時に注意すべき脆弱性

VPNの脆弱性を狙った攻撃事例

近年、VPN機器の脆弱性を狙った攻撃が増加しています。以下に、一般的な事例を紹介します。

●事例①VPN経由の不正アクセス

VPNの脆弱性を利用した最も一般的な攻撃の一つが、不正アクセスです。例えば、VPN機器のセキュリティホールを突かれ、企業の内部ネットワークに不正アクセスされる事件が報告されています。この攻撃は、VPNの認証情報が盗まれたことが原因で、攻撃者はそれを利用して企業のシステムに侵入しました。このような攻撃は、特にセキュリティパッチが適用されていない古いVPN機器を使用している場合に発生しやすいです。

●事例②ランサムウエアに感染した事例

VPNの脆弱性を悪用したもう一つの深刻な事例が、ランサムウエアの感染です。VPN経由でランサムウエアに感染し、大規模なデータ暗号化被害を受けた被害も報告されています。この攻撃では、まずマルウエアに感染したリモートPCからVPNを経由して内部ネットワークに侵入し、その後ランサムウエアを展開しました。結果として、企業は重要なデータを暗号化され、復旧のために多額の身代金を要求されました。このような攻撃は、特にエンドポイントの管理が不適切であることや、脆弱性が放置されている場合に発生しやすいです。

VPNの脆弱性を狙った攻撃事例

VPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐ対策

最後に、VPN機器の脆弱性を狙った攻撃を防ぐための具体的な対策について解説します。

●自社が利用しているVPN機器の脆弱性調査

まず、自社が使用しているVPN機器の脆弱性を定期的に調査することが重要です。VPN機器のベンダーは、脆弱性が発見されるとセキュリティパッチを提供しますが、これを適用しないと脆弱性が放置されたままとなり、攻撃のリスクが高まります。最新のセキュリティパッチやファームウエアを定期的に確認し、迅速に適用することが求められます。また、脆弱性情報を提供するセキュリティ情報サイトを定期的にチェックし、自社のVPN機器が影響を受けていないか確認することも重要です。

●従業員のセキュリティリテラシーを高める

VPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐためには、従業員のセキュリティリテラシーを高めることも欠かせません。従業員がフィッシングメールや不正なWebサイトにアクセスすることで、VPNを通じて攻撃者が内部ネットワークに侵入するリスクが高まります。従業員に対して定期的なセキュリティトレーニングを実施し、最新の脅威や対策についての知識をアップデートさせることが重要です。また、強力なパスワードの使用や多要素認証の導入など、基本的なセキュリティ対策を徹底することも効果的です。

●クラウドセキュリティにも考慮する

近年、クラウドサービスの利用が増加しており、VPNを通じてクラウドにアクセスするケースも多くなっています。クラウドセキュリティにも注意を払うことで、VPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐことができます。
例えば、クラウドサービスプロバイダが提供するセキュリティ機能を活用し、アクセス制御やデータ暗号化を徹底することが重要です。また、クラウド環境に対する脆弱性評価を定期的に実施し、セキュリティ対策の強化を図ることも必要です。

VPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐ対策

エイチ・シー・ネットワークスのHPE Aruba Networking SSEでVPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐ

本記事では、VPNの脆弱性について、VPNのしくみからVPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐ対策までご紹介しました。情報漏洩の防止や近年の多様な働き方を安心して導入するためにも、セキュリティ対策を十分に行っていただけますと幸いです。
最後に、VPNの脆弱性を狙った攻撃を防ぐ方法として、エイチ・シー・ネットワークスの「HPE Aruba Networking SSE」をご紹介させて頂きます。
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