学校法人 湘南工科大学 様

無線AP設置困難だった建物を無線LANエリア化
学生会館に集う学生たちに快適なネットワーク環境を提供

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ポイント

  • 屋外用無線APを用い、柔軟な発想で無線LAN化を提案
  • 無線LAN化のための設置工事を最小限の費用で実現
  • 学生の満足度が向上。能動的な学習の推進にも寄与

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導入製品

文教のセキュリティネットワーク導入事例集

学生のシームレスな思考につなげるシームレスなネットワーク環境をめざす

湘南工科大学 コンピュータ応用学科 教授 学生部長
高橋 宏 氏

湘南海岸にほど近い場所にあり開放的な空間をもち、やしの木が植えられリラックスして過ごせるキャンパスを有する湘南工科大学。60年近い歴史を重ねつつ、小規模な工科系単科大学ならではのスピード感で時代に合わせた改革・改善を続けている。

「本学がめざす教育は、『社会に貢献する技術者の育成』です。学生には社会人基礎力、すなわち専門分野の知識を通して実践的に問題を解決に導くリテラシーや、社会の中で活躍するために必要な行動特性であるコンピテンシーを、バランスよく身につけてもらうことをめざしています」と語るのは、コンピュータ応用学科 教授で学生部長を務める高橋宏氏だ。

その中で同学が注力するのは、学生自身が興味を持って調べ、仲間と一緒に課題を解決する経験を積んでいくアクティブ・ラーニングだ。「これを実現するためには、興味を持ったときにすぐインターネットにアクセスして調べられる環境が重要であり、電波がシームレスにつながることが、シームレスな思考につながると考えています。キャンパス内のどこでも、『ネットワークにつながって当たり前』というのが望ましい環境なのです」と高橋氏は説明する。

こうした方針から、湘南工科大学では学生たちには充実したコンピュータ環境を提供している。例えば設計やデザインなどを自由に学べるよう、CADやグラフィックス系など専門性の高いソフトウエアも充実。それらを快適に使える高精細かつ大画面のディスプレーや液晶タブレットつきのワークステーションも数多く用意している。さらに、モバイルPCやスマートデバイスなどのための無線LANネットワークも提供しており、キャンパス内のあらゆる場所で利用できるよう、教室や演習室はもちろん、学生たちが一人で自習や研究を行ったり、グループでディスカッションしたりするフリースペースなどにも、そのエリアを広げてきた。

堅固な学生会館は工事が困難
それでも無線LANを展開したい

そうした中で、無線LANのエリア展開が困難だったのが、学生自治会や学祭実行委員会、そして部室などが集まる学生会館だった。ロボット研究部の顧問でもある高橋氏は、「学生にとって落ち着ける環境ですので、部活動のみならず、しばしば自分の勉強に使う学生もいます。しかし、以前は無線LANの電波が不安定で、各自の携帯電話を通信に使うことも少なくありませんでした」と語る。

学生会館は築15年ほどで、壁は分厚い鉄筋コンクリート、各部屋の扉は鉄製で窓にも網入りガラスを使った堅固な建物だ。大規模災害でも学生たちの安全を守ることが期待されるが、その反面、無線LANエリア展開が難しく、学内のICT環境を統括するメディア情報センターにとって課題となっていた。数年前には吹き抜けとなっている内側の廊下に沿って無線アクセスポイント(無線AP)を配置していたものの、電波は壁や扉に阻まれ室内の電波状況はいまひとつであった。無線APを室内に増設しようにも分厚い壁のため配線工事は非常に困難だったのだ。学生たちも部室で無線LANにつながらないことを不便に感じ、部やサークル独自に通信事業者と契約して回線を引き込んで無線APを設置することもあったという。

コンピュータ応用学科 教授でメディア情報センター長と図書館長を兼務する本多博彦氏は、以下のように説明する。

「過去に相談した複数の業者は、いずれも分厚い壁に穴を空けて配線する必要があるとして、工事費用の見積もりが多額なものになり、今までは諦めていました。とはいえ学生たちのコミュニケーション環境を充実させ、満足度を向上させるためにも、やはり学生会館にも安定した無線LAN環境を学校側が提供するべきだと考えていました」

設置イメージ

対象エリアである学生会館を挟み込むようにして、無線APを以下のように設置しております。

実機での検証を繰り返し
屋外用無線APを採用して解決

湘南工科大学 コンピュータ応用学科 教授
メディア情報センター長 図書館長
本多 博彦 氏

湘南工科大学が、この課題を解決すべく新たに相談したのがエイチ・シー・ネットワークスだった。

「エイチ・シー・ネットワークスは綿密な現地調査を行った上で、得意とする漏洩同軸ケーブル(LCX)をはじめ、複数の提案をしてくれました。以前相談した業者と違い、分厚い鉄筋コンクリート壁に穴を空けるような大掛かりな工事ではなく、多額のコストが発生しない方法を試行錯誤しながら考えてくれたのです」(本多氏)

そして、それらの提案の中からどの方法が適切か、実際の機材を持ち込むなどして検証しつつ選んでいった。まず試したのは、既存無線APと同じ内廊下に、より高出力の機器を設置するというものだったが、実測したところ室内では大きく減衰することが判明し不採用。またLCXも、各部屋に敷設するための工事が難しいことがわかり採用は見送られた。

最後に試したのは、逆転の発想ともいうべき方法だ。それは、隣接する建物に屋外型無線APであるRuckus社のT310Sを設置し、学生会館に向けて電波を届けるというもの。外側の窓も網入りガラスだったが、実機での検証の結果、良好な通信が可能であることがわかった。

「今までにない、実にユニークなアイデアでしたね。ただ、外側の窓も網入りガラスだったため、実際に使えるのかどうか疑問でしたが、エイチ・シー・ネットワークスは、諦めず、実機を用いて、良好に通信が可能であることを示してくれました。」高橋氏は、エイチ・シー・ネットワークスの熱意を評価する。

学生会館での電波状況改善で学生たちの満足度が向上、さらなる学びに

湘南工科大学 コンピュータ応用学科 1年次生
佐藤 保徳 氏

こうして無線AP設置方針が決まり、2019年度の夏休み期間を利用して工事を実施、9月からの新学期には本格的な運用を開始している。コンピュータ応用学科に在籍し学生自治会の活動も行っているという1年生の佐藤保徳氏は、今回の無線LANエリア拡充について、以下のように語る。

「自治会では書類のやり取りも多く、また地域の祭りなどにも参加しているため対外的な連絡が頻繁にあり、LINEやGmailなどでコミュニケーションを行っています。夏休み前には、部室に入ると無線LANの電波が厳しく携帯電話の電波もつながりにくくなるため不便に思っていました。ところが夏休み明けには無線LANの電波が改善し、安定して使えるようになりました。他の団体の学生たちからも、部室での電波について最近では不満の声が聞かれなくなりました」

学生会館のネットワーク環境の改善は学生活動だけではなく、学生の学びにも欠かせないものになっている。これについて佐藤氏は「私自身、授業や演習以外で勉強するときも学生会館にいることが多いので電波の改善は助かっています。私が本学を志望した理由のひとつは、問題解決型の授業に積極的な大学であるという点です。今回、『自ら学ぶ』ことができるようネットワーク環境を整備してくれたことは、とてもうれしく思います」と話している。

本多氏は、学生たちの満足度向上に寄与した今回の提案を踏まえ、今後もエイチ・シー・ネットワークスに期待を寄せている。 「今回は、コストパフォーマンスの高い結果を出してもらうことができました。しかしデバイスは日々進化しており、5年10年で大きく変わってしまいます。無線LANも、2.4GHz帯は他の用途の電波も多く混雑しつつあるため、5GHz帯の利用が増えてきていますが、5GHz帯では遮蔽を受けやすいのが難点です。エイチ・シー・ネットワークスには、そういった周辺環境の問題も踏まえ、快適に利用できるような提案を今後も期待しています」

お客様情報

学校法人 湘南工科大学 様

URL:https://www.shonan-it.ac.jp/

専門技術を基礎から深く学ぶ〈基盤系学科〉と、技術を活用して社会で役立てる方法を学ぶ〈応用系学科〉の2系統6学科体制の工学部と、総合文化教育センター、および大学院工学研究科2専攻からなる工科系単科大学。「社会に貢献する技術者の育成」を掲げ、近年、特に重要とされているコミュニケーション能力や協働力などの汎用的能力と、技術社会を支えるために役立てることができる専門分野の知識と技能を身につけた、時代の変化にも対応できる次代技術者の育成をめざしている。

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