国立大学法人 北海道教育大学 様
遠隔地にある5つのキャンパス間の円滑なコミュニケーションをサポート
音声や映像の死活監視や自動起動・終了など
使い勝手の良さが魅力の遠隔講義システム
- 文教
- ビデオ/Web会議
国立大学法人 北海道教育大学 様
ポイント
- 遠隔地にあるキャンパス間の円滑なコミュニケーション基盤の整備
- 鮮明な映像と音声を備えた高品位なビデオ会議システム
- 遠隔講義、教職大学院でのディスカッション授業、附属学校との接続でアクティブ・ラーニングにも貢献
導入製品
- Conference@Adapter
- Polycom® HDX® 8000
- Polycom® RMX® 2000
- Polycom® RSS™ 4000
- Polycom® RealPresence® Resource Manager
- Polycom® RealPresence® DMA® 7000
- Polycom® VBP® 5300-ST
- Polycom® VBP® 5300-E
遠隔地にあるキャンパス間を効率的に移動するしくみが急務に
北海道における教員養成の拠点であり、地域人材の養成を行う学術機関として多くの人材を輩出している国立大学法人 北海道教育大学。国立大学としては珍しく距離の離れた5 つのキャンパスを有しており、へき地教育など少子化時代にも適用できる小規模校教育に力を注いでいる。
そんな同校では、キャンパス間で最大580km もの距離があるため、わずか1 時間の会議であっても日帰りするのが困難な状況だった。「キャンパス間の移動を効率的に行うためのしくみ作りが求められていたのです」と理事・副学長の阿部 修氏は当時を振り返る。他にも、1 つのキャンパスにすべての分野の教員をそろえるのは容易ではなく、人材の有効活用という視点でも遠隔地間をスムーズに連携できるしくみが求められたのだ。
端末の自動起動・終了機能など使い勝手の良さを高く評価
そこで、2004 年にビデオ会議システムを導入し、遠隔講義を行うための環境整備を実施した同校。同時に、現役教師のための教職大学院にも同システムを導入し、遠隔地同士を連携するコミュニケーション基盤を整備した。ただし、この当時は単に映像と音声をつなげるだけで、運用面での使い勝手に改善の余地を残していたという。
その後導入から数年あまりが経過した2011 年に、遠隔講義システムの刷新を計画。「高画質なコンテンツに慣れている学生や教職員に対して、より高精細な映像と音声でやり取りでき、技術に詳しくないユーザーが気軽に操作できるしくみを検討しました」(阿部氏)。死活監視を含めた運用管理の容易さやタッチパネル端末を使っての操作性の向上、授業内容の録画による補講時のコンテンツ活用など、過去の経験を踏まえたさまざまな入札要件を提示。文教分野での実績も考慮して入札を行った結果、同校の遠隔講義システムのSIer として日立電線ネットワークスが選択されることになる。「ビデオ会議システムの自動電源起動、終了機能といった、操作を意識せずとも遠隔講義が行える機能はとても魅力的でした」と語るのは情報化推進室 中塚 洋大氏だ。
存在しないと活動できない重要なインフラへと成長し
年間1700時間使用
現在は、遠隔講義を始めるための日立電線ネットワークスの遠隔講義予約装置「Conference@Adapter」を中心に、Polycom RMX 2000 多地点接続装置や各キャンパスに60 台を超えるPolycom HDX 8000 を設置し、キャンパス間を繋いだ遠隔講義や教職大学院でのディスカッション授業に利用している。また、2014 年には大学と小中学校などの附属学校が連携し、へき地教育をはじめとした実践的な教員養成を図るべく、現場で行われている授業の録画を通じて授業に生かしていく「アクティブ・ラーニング」としての用途も加わり、新たに附属学校への導入も実施された。さらには、道内にある国立大学同士の教養教育科目受講への取り組みや、学内で実施される会議の他、奨学金授与式など一部セレモニー、教員向け情報セキュリティ講習会などにも利用されており、2014 年実績ではおよそ年間1700 時間もビデオ会議システムが利用されている状況だ。
他にも、他大学との接続を容易に行うためのNAT /ファイアウォール越えソリューションの導入やPolycom RSS 4000による録画・ストリーミング配信用の環境も整備している。附属学校には可動式の端末も設置され、さらにPC 環境で動作するPolycom RealPresence Desktop やスマートデバイス対応のPolycom RealPresence Mobile なども一部で利用されている。
遠隔講義システムに関する評価について財務部経理課長 兼 情報化推進室長 小林芳博氏は「事前に紙で資料を配布していた以前の画質に比べて、今は資料共有だけでなく、授業中に動画を見せるシーンでも授業に支障なく利用できるほどの鮮明さです」と評価する。授業開始時間に自動起動してくれるようになり、現場からの問い合わせも一切なくなっていると使い勝手についての評判も上々だ。
また、中塚氏は「我々が運用していて不便に感じていたことについて一緒に悩んでいただき、経験からくるさまざまな提案をいただくことができてとても感謝しています」と日立電線ネットワークスについて高く評価。「他のキャンパスで何か起こっても、リモートで死活監視が一括で可能になっており、トラブルシューティングも迅速です」。
ビデオ会議システムの品質について阿部氏は「教育は人間が人間に対して行うものであり、画質が粗いことで顔が判別できず、やむなく画面越しに" そこの君" と指名せざるを得ないような状態では授業になりません。今では相手の顔まで鮮明に確認でき、授業も円滑に進めることができます」と高く評価する。ビデオ会議システムは空気や水のように普段意識しないものの、存在しないと活動できなくなってしまうと阿部氏は評している。
反転授業などアクティブ・ラーニングでの活用の幅を広げる
今後については「録画したコンテンツを自宅で事前学習する反転授業などへの展開も視野に入れながら、アクティブ・ラーニング活用の幅を広げていきたい」と中塚氏は語る。他にも、留学生の面談に役立てるなどスマートデバイスの活用範囲をさらに広げていきたい考えだ。「今回のシステムによって、距離の離れた5 キャンパスの一体感をこれまで以上に高めることができました。遠隔コミュニケーション基盤としてビデオ会議システムをこれからも積極的に活用していきたい」と阿部氏に語っていただいた。
お客様情報
国立大学法人 北海道教育大学 様
北海道における教員養成の拠点であり、地域人材の養成を行う機関として幅広い人材育成を行っている。国立大学としては珍しい距離の離れた5つのキャンパスを有しており、へき地教育など少子化時代にも適用できる小規模校教育に注力。教員免許の取得を卒業要件としない新課程を地域に貢献できる人材育成の学科に改組するなど、新たな試みにも積極的にチャレンジしている。