監視カメラの運用とDX化のポイント

特定業種

監視カメラといえば、ひと昔前は防犯のみの用途でしたが、近年はオフィスや店舗、工場や作業現場などに監視カメラを設置することで、防犯用途のほか、遠隔管理や監視、マーケティングなど、用途の幅が広がっています。その監視カメラの運用はどのような点に気を付ければいいのでしょうか。また近年、監視カメラのDX化も注目されています。そこで今回は、監視カメラの運用とDX化のポイントをご紹介します。

監視カメラの活用シーン
監視カメラの導入・運用方法
監視カメラのDX化のポイント
まとめ

監視カメラの活用シーン

企業が監視カメラを設置するシーンは実に多様です。例えば、こんな場所で、次のように活用が可能です。

●オフィス

オフィスでは、第三者の侵入時に金品や機密資料の盗難などの予防策や証拠映像を残すことに役立ちます。また従業員の出退勤の確認や残業確認などの労務管理にも活用することができます。

●小売店

小売店においては万引や盗難予防策としての防犯対策になります。来客数を知るためのマーケティング活用や、クレーマーの挙動を監視するツールとしても有用です。

●工場・倉庫

工場や倉庫は無人の場所が発生しやすく、監視カメラで防犯対策が可能です。また作業員の作業を監視することでミスを事前に防ぐことも可能です。特に食品工場では、異物混入対策にもなり得ます。監視カメラの撮影により、作業改善・教育、遠隔からの管理なども可能になります。

●介護施設

介護施設においては、防犯用途はもちろんのこと、施設利用者の徘徊（はいかい）や従業員と施設利用者のセクハラ、暴力事件の予防、証拠確認などにも利用できます。

監視カメラの導入・運用方法

企業が監視カメラを導入・運用するためには、次のポイントを押さえることで、より有意義な活用ができるでしょう。

●目的を明確にする

監視カメラの導入目的を明確にすることが最も重要です。あいまいなまま導入してしまうと、最適な製品選定ができなくなるばかりか、成果を測ることができなくなります。

●種類を適したものを選ぶ

目的に応じて、設置環境や運用に適した種類を選ぶのをお勧めします。オンプレミス型、クラウド型など、どちらが適しているかは設置目的により変わってきます。

●性能・機能を選定する

監視カメラ選定の項目を一つ一つしっかりと比べて選定しましょう。屋内用なのか屋外用なのかという比較のほか、解像度、フレームレート、画角、録画時間、赤外線LED、音声などの違いにも考慮する必要があります。

●運用は自社・委託どちらかを選定する

運用はただ監視カメラの映像をチェックするだけでなく、定期的な機器の点検も必要になります。運用は自社で行うのか、それとも業者に実施してもらうのか、一部のみ業者に委託するのかなど、いずれの方法が適しているか、よく検討しましょう。

監視カメラのDX化のポイント

監視カメラは、近年DX化が進んでいます。DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、主に「データやデジタル技術を活用して、新しい組織やビジネスモデルを構築する」という意味合いを持ちます。これまでになかった価値の創出、つまり何らかのものごとの変容・変革に焦点が当てられている概念です。

監視カメラのDXの例を挙げれば、遠隔からの監視や管理、在庫の過不足確認など、その場にいなくとも業務が行えるしくみが該当するのではないでしょうか。遠隔監視や管理は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のようなパンデミック（世界的大流行）時にも対応できる、まさに業務の変革につながるものです。

また、監視カメラで録画したデータは、ネットワーク上で管理することで集約や共有がスムーズになります。そのデータ活用の利便性を向上させ、あらゆる用途で活用することも、一種のDXとなり得ます。

●個人情報に注意

監視カメラのDX化が進めば、あらゆる分野で活用可能性が出てきますが、一方で、監視カメラの映像は、個人情報保護法に触れることがあるため、どんなデータも利用できるというわけではありません。この点には注意が必要です。
例えば、防犯カメラを設置し、個人を特定可能な画像を録画する際、個人情報の取得に当たります。その場合、防犯カメラ作動中の旨を設置場所に掲示するのが望ましいとされています。また個人情報についての問い合わせ先についても明示するなどルールがありますので、よく注意する必要があります。