トヨタ車体株式会社 様
APRESIAでネットワークを再構築
4年間故障ゼロの実績と10年保守が決め手
SDカード起動でダウンタイム最小化も
- 企業
- ネットワーク
トヨタ車体株式会社 様
ポイント
- 将来の拡張に応える10Gbps対応基幹スイッチ
- 工場でも安心して利用できる10年間保守対応
- 計画停電後の機器故障による業務ダウンタイムを最小化
導入製品
過酷な環境下でも業務に影響を与えないネットワークへ
トヨタ車体株式会社は、トヨタグループを支える中核車種の設計や生産をおこなっている。その生産現場は納期短縮や品質向上に向けた効率化や自動化が進んでおり、ITも幅広く活用されていると、トヨタ車体株式会社 情報システム部 ITマネジメント室の浅井 浩氏は語る。
「自動化が進む工場はもちろんですが、デザイン・設計業務においてもグループ企業との連携が欠かせないため、CADを動かすPCやそのデータをやりとりするネットワークは、なくてはならないものになっています」
先進的なIT化を進めてきた一方で、生産現場ならではのIT機器に優しいとは言い難い条件がある。工場では法定点検のほか、生産設備の入れ替えやラインの組み換えなどのため、すべての機器の電源を落とさなければならない日が、1年に数回ある。こうした電源断は、IT機器の故障の原因のひとつとなる。
「電源復旧時に故障する確率はごくわずかですが、ネットワークスイッチのように数百台ある製品では、このわずかな確率で発生する故障も見逃せない数になります」
実際に、電源復旧時に起動しないネットワークスイッチがあり、故障した機器の交換作業が完了するまでの間、業務が滞るということを何度か経験してきたと、トヨタ車体株式会社 情報システム部 ITマネジメント室の川島 俊幸氏は言う。こうした課題を感じながら迎えたのが、保守期間満了に伴う富士松・本社工場内技術棟のネットワークリプレイスだった。
4年間故障ゼロの実績とSDカード起動、10年保守が決め手
技術棟のネットワークリプレースに当たり、ネットワークスイッチとして採用されたのは、日立電線ネットワークスが提供するAPRESIAシリーズであった。他の拠点で実験的に導入した結果、これまで使ってきたベンダの製品より優れているとして採用に至った。
「通信キャリアなどでも利用実績があることを聞き、ネットワークの一部に採用したのがきっかけでした。他社製品も混在する環境でしたが、同じ環境においてAPRESIAだけが一度も故障しなかったのです。復電後の再起動でも、問題が起こったことはありませんでした」
そう語るのは、トヨタ車体株式会社 情報システム部 ITマネジメント室の服部 哲也氏。
資産管理の一環としてベンダ別に故障率を算出しているが、4年間の利用で故障ゼロというネットワークスイッチはこれまでになかったという。また万一故障した場合にも、APRESIAは設定情報を保存したSDカードから起動する機能があり、ダウンタイムを最小限に抑えられるという安心感も採用の決め手になったと、トヨタ車体株式会社 情報システム部 ITマネジメント室の丸山 裕一氏は言う。
「以前使用していた他社製品でも保守対応はしてもらっていましたが、それでも数時間のダウンタイムは避けられませんでした。APRESIAなら、予備機にSDカードを差し替えて電源を入れるだけで業務環境を復旧できます」
SDカードに設定を保存する機能は珍しくないが、ほとんどの製品では、同じ設定で予備機を動かすために一度設定画面を開き、保存した設定を読み込むというワンステップが必要だ。APRESIAの場合はこうした操作さえ不要で、SDカードを差し替えて電源を入れるだけでいい。ネットワークの知識がない従業員でも簡単に復旧作業ができるので、システムエンジニアが現場に来るのを待つ必要さえないのだ。
また、故障率の低さを実感していたことに加え、製品のサポート期間についても見逃せなかったと川島氏は語る。
「ネットワークスイッチとしては異例の、10年間の保守対応を日立電線ネットワークスに約束してもらえたことも大きなポイントになりましたね。工場設備も、私たちが作っている自動車も、10年くらいは当たり前に使えます。IT機器もそうであってほしいと常々考えていましたが、ようやくその期待に応えてくれる製品に出会えました」
スムーズな構築を実現、今後の更新でも有力候補に
新しいネットワークへの切り替えが行なわれたのは、2013年3月。導入過程においては日立電線ネットワークスのサポートも充実し、取り組みの途中で見つかった課題にも速やかに対処できたと全員が口を揃える。技術棟内のネットワークは、現在1Gbpsに統一しているが、将来の拡張を見越して基幹スイッチには10Gbpsに対応したApresia15000 -64XL-PSRを採用している。今後見込まれる高速化の要求にも応え、長期間使っていけるネットワークをスムーズに構築できたと、浅井氏は言う。
「デザイン・設計、製造に使われるデータは高精細化しており、今後もデータ量は増えていく一方でしょう。基幹スイッチが10Gbpsに対応していれば、現場から高速化の要求があったときにも必要な部署のスイッチを入れ替えるだけで済みます」
ネットワークスイッチは、安定運用しているときには機能の差を感じにくい製品のひとつだが、それでもAPRESI Aに替えた効果を実感できることが、すでにいくつかあったという。そのひとつが、ループ検知だ。
「ケーブルの挿し間違いなどで発生したループは、小規模なら見逃されていました。輻輳の影響が広範囲に広がって初めて気づき、原因を特定するのも容易ではありませんでした。APRESIAにはループ検知機能があるので、輻輳の影響が大きくなる前にポートが閉じられます」
ループ発生源も閉じられたポートの配下に限定されるため、原因特定も早くなり、ちょっとしたミスで業務に大きな影響を及ぼすことがなくなったと、丸山氏はそのメリットを評価している。
APRESIAを使ってネットワークリプレースを成功させたトヨタ車体では、現在ネットワークの活用をさらに広めるべく無線LANやタブレットの導入について検討を進めている。また今後も数年以内に、他の拠点や工場のネットワークを更新していく計画が控えている。これらの計画についても、APRESI Aを有力な候補として検討していくつもりだと、トヨタ車体株式会社 情報システム部の杉浦剛氏は語ってくれた。
「リプレース案件では、動いて当たり前という厳しい評価基準の中で戦ってもらわなければなりません。日立電線ネットワークスなら今後も期待に応えてくれるだろうと信じています」
お客様情報
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トヨタグループの中核的ボディメーカー、トヨタ車体株式会社。アルファード、ハイエース、ランドクルーザーなど、トヨタブランドを代表する人気車種を製造するほか、新型車のデザインや設計にも携わる。近年ではオリジナルの小型電気自動車「コムス」の開発、製造もおこなっている。
所在地(本社) | 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 |
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設立 | 1945年8月31日 |