東京モノレール株式会社 様
システムの高信頼性と長期サポートを実証。
「羽田空港国際線ビル駅」の開設に合わせて、
最新ネットワークへリプレイス
- 企業
- ネットワーク
東京モノレール株式会社 様
課題
- 既存ネットワーク、HLN-8380* の老朽化
- 鉄道設備用途に耐え得る高信頼性・長期間使用に応える耐久性
- 既存設備インタフェースの流用(RS232C・音声・接点)
ソリューション
- 高信頼性国産スイッチApresiaの採用
- Apresiaの長期サポート
- 変換器による既存インタフェースの収容
- 短期間切替えを実現したSI力
効果
- 高速化(既存の100倍)
- 既存設備の収容
- 将来性・拡張性の確保(画像などの収容を可能に)
導入製品
長期の使用に耐え得るネットワークの構築
東京モノレールでは、羽田空港の新国際線旅客ターミナルの開業とともに完成した新駅「羽田空港国際線ビル駅」の整備を進め、その一環としてモノレール運行のための設備系ネットワークを一新。
リプレイスの背景について、技術・企画部部長の中島信哉氏、施設区長の渡辺浩幸氏、電気主任の関口孝浩氏にお話を伺いました。
「長期間使い続けてきましたが、現在までほとんど故障は発生していません。機器の信頼性に対しては安心していますが、17年近く経っていますと老朽化が進んでいる他、設備の伝送能力を始めとする性能自体も陳腐化していました。当社の基幹伝送路として、将来の回線増強「高速化」も考慮し、新国際線旅客ターミナル新設に合わせてリプレイスを決定しました」
(中島氏)。
現地工事は2009年9月に着手しましたが、モノレールの運行に支障が出ないように実際の切替えは終電後から始発前までと短時間で行うことが前提でした。
また既存設備側のリソースを流用し、ネットワーク側だけを更新しなければなりません。こうした難題をクリアするために、17年前の導入を支援した日立電線及び日立電線ネットワークスによる新たな取り組みが始まりました。
既存インタフェースを収容するリングネットワーク
設備系ネットワークには、モノレールの運行状況の監視、各駅の案内表示、発車ベル、CCTV監視カメラ、構内電話などの既存設備が接続されています。
再構築するには、既存設備が有しているRS232C、音声、接点といったインタフェースを収容する必要があります。
「インタフェース取り込みのために設備ベンダに変換器をお願いする際に、既存ネットワークのプロトコルを熟知されている日立電線ネットワークスによって開発支援いただきました。中央からの制御信号を各駅に送らなければならず、1対1だけではなく1対Nの信号も必要となり、苦労しましたが、様々な設備の用途に合わせて最適に開発できたのが良かったです。Apresiaの特徴であるMMRPのリング型ネットワークによって、駅の増設に柔軟に対応することができました」
(渡辺氏)
【ネットワーク構成図】
【実構成】
将来のためのIP化と高速化。短時間停止での切替え
将来を見据えた高速ネットワークへの移行作業でのミスは許されず、モノレールの運行時間外に行うことが最大の課題でした。
これを可能にした最大のポイントは、日立電線時代から培われたケーブリング技術。この技術に日立電線ネットワークスのSI力がプラスし、短時間でのシステム切替えが実現できました。
「将来動画像を収容する可能性があり、IP化・高速化は必須でした。光ファイバ1芯での1Gbps伝送という既存の100倍の高速ネットワーク環境となりましたが、既存ラックにそのまま収容できるなど切替えはスムーズでした。設備系ネットワークは長期使用が前提です。各駅を2重化したApresiaの高信頼性については十分な実積がありますので、安心して長期運用できると思います」
(関口氏)
【昭和島駅】
長期機器保証とサポートを期待
Apresiaという独自の製品を供給するベンダである日立電線と柔軟性のあるインテグレーション力を発揮する日立電線ネットワークスに対して、全幅の信頼を寄せています。
「システムの切替えには神経がすり減ります。万一トラブルが発生すると、モノレールの運行に影響を及ぼし、お客様に多大なご迷惑をおかけすることになります。切替えをスムーズに行うにはシステムを詳細まで理解している国内ベンダの協力が不可欠。17年前にサポートしていただいた日立電線及び日立電線ネットワークスのSEの方に、今回も提案・設計から構築まで、すべてをサポートいただきました。システムとネットワークを熟知したITパートナーとして、今後も長期にわたって支援をお願いしたいと思います」
(中島氏)
お客様情報
東京モノレール株式会社 様
2010年10月の羽田空港の新国際線旅客ターミナルに合わせて、世界と日本を結ぶ空への新しい玄関「羽田空港国際線ビル駅」を新設。
羽田空港(東京国際空港)では、将来の航空需要の増大に対応するために、再拡張事業として、2010年の供用をめざして、4本目となるD滑走路が新設されました。この再拡張によって発着容量の増大と多様な路線網の形成など、利用者利便の向上をはかるとともに、国際旅客、貨物定期便が就航。
新設滑走路の供用開始に合わせて、同空港に新たに国際線旅客ターミナルやエプロンなどの国際旅客、貨物定期便の就航に必要な機能の整備が進められました。羽田空港への交通インフラの役割を担う東京モノレールでは、この新しい国際線旅客ターミナルへのアクセス手段を確保し、お客様の利便性を向上させるために、路線を一部変更し、「羽田空港国際線ビル駅」を新設しました。
本社 | 東京都港区浜松町二丁目4番12号 |
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設立 | 昭和34年8月7日 |
開業 | 昭和39年9月17日 |
社員数 | 344名(平成22年4月1日現在) |