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報道関係各位

東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本研究開発センター)との共同実証試験を実施
―Wi-Fi新規格「IEEE 802.11ah」を活用したスマート鉄道インフラの可能性を実証―

  • ニュースリリース

 エイチ・シー・ネットワークス株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:田中 宗)は、東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:喜㔟 陽一)の研究開発セクションであるJR東日本研究開発センターと共同で実証試験を実施しました。本試験では、鉄道環境下において、IEEE 802.11ah通信技術を用いたセンサーデータを回収する通信インフラの可能性について確認し、今後のスマート鉄道インフラの実現に向けた実用化検討に必要なデータを取得しました。

背景

 現在、鉄道分野においては、設備の遠隔監視やCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)による保守管理の効率化が求められています。各系統で多様なセンサーが開発されていますが、データ回収方法はLTE通信に依存する場合が多く、通信費やセンサー価格の高騰により、十分な費用対効果が得られないことが課題となっています。そのため、全系統で共通利用可能なセンサーデータの通信インフラ構築を目指し、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本研究開発センター)と共同でその回収手法の検討と実証試験による基礎検証を行いました。

構成概要

 本実証試験では、センサーデータを収集する無線インフラとしてIEEE 802.11ahを採用し、異なる2つの鉄道路線において通信性能を評価しました。

①鉄道沿線の拠点基地局からデータを回収する手法では、日光線内で実施しました。
②走行中の列車からデータを回収する手法では、在来線用試験車両「MUE-Train」を用い、川越線内で実施しました。

 また、IEEE 802.11ah対応無線機としてフルノシステムズ社製アクセスポイント(920MHz帯)を使用しました。アンテナは、標準利得1dBiの「標準アンテナ」に加え、広域通信が期待できる高利得アンテナとして、利得8dBiの「パッチアンテナ」※1、および利得5dBiの「コリニアアンテナ」※2を使用しました。送信出力は、法令に基づき適切に調整した構成で実証試験を実施しています。

※1,2・・・原田工業株式会社製

鉄道沿線の拠点基地局からのデータ回収手法

― 鉄道沿線の各基地局間からのデータ伝送 日光線 ―

実際の写真

走行列車によるデータ回収手法

- 走行列車と基地局間によるデータ伝送 川越線 -

実際の写真

結果

 基地局同士の接続試験では、パッチアンテナ利用時に最大865mの通信接続を確認しました。 また、見通しの良好な環境下では、パッチアンテナ・コリニアアンテナともに高い受信感度を記録しました。長距離接続時や伝送区間中の遮蔽物がある場合には受信感度の低下がみられたものの、今後の設置計画やアンテナ構成の設計に有用な実用データを取得しています。

 走行列車との接続試験では、見通しの良い区間にて最長615mの距離で基地局との通信接続を確認しました。接続時の列車速度は48km/hであり、通信接続が維持された最高速度は91km/hでした。これにより、実環境下での接続可能な距離と速度の目安となるデータを取得することができました。

今後

 本結果を踏まえ、鉄道環境や都市インフラへのIEEE 802.11ah通信の適用拡大に向けて、追加検証およびシステム提案を行ってまいります。また、高利得アンテナの活用やエリア最適化を通じて、効率的なIoTインフラの構築を推進し、スマート社会の実現に貢献してまいります。

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